2012年9月23日日曜日

2007-03-17 フランスにおける歴史認識問題 編集CommentsAdd Star


http://jetro-lyon.com/miura/tumamigui14.html
二〇〇四年に出たオリヴィエ・ペトレグルヌイヨの『奴隷貿易』Les traites négrièresが昨年、優れた歴史書に与えられる元老院賞を受けた。受賞直後の六月一二日のル・ジュルナル・ド・ディマンシュ紙にのったインタビューを読むと、著者はこんなことをいっている。奴隷制は古代からあったが、奴隷貿易は七世紀にはじまった。大西洋間の奴隷貿易がはじまる前からアラブ商人による奴隷貿易があったし、ブラックアフリカ内部での奴隷貿易もあった。トビラ法が問題にした一六世紀以後のヨーロッパ人による大西洋間奴隷貿易は、したがって奴隷貿易のグローバルな歴史の一部にすぎない。アフリカ人には奴隷貿易の犠牲者と奴隷商人の両方がいたのであり、黒人がすべて奴隷の子孫だというのは正確でない。トビラ法は奴隷制と奴隷貿易を人道に反する罪としたが、人道に反する罪はもともとホロコーストを対象につくられた概念だ。ホロコーストはユダヤ人の大量虐殺だが、奴隷制は労働力の搾取であって虐殺ではない。したがって奴隷制とホロコーストを同じカテゴリーに入れるのは不適当だ。

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