2012年9月22日土曜日

2007-03-09 『反動のレトリック』 編集CommentsAdd Star


広島県立図書館で20代前半期に最も熟読した書籍。新書ブームはいいが、法政大学出版局が一時の出版ベースを落としてしまったことは哀しいな。
http://www.mahoroba.ne.jp/~felix/CF/2001/0514.html
でも、まあ、何かの動き・作用(action)があればそれへの反動・反作用(reaction)があるのは世の常で。
 アルバート・O・ハーシュマンという政治学者(…と一応言っておくけど、著作を見ると社会学的でもあるし、経済発展の話もしてる)は『反動のレトリック』(法政大学出版会 叢書・ウニベルシタス)という本の中で改革を進めようとする意見に対して、それをつぶそうとする「反動」側のレトリックを3つの範疇で述べている。
逆転テーゼ
提案を実行に移すと意図とは反する結果がもたらされるぞ、と主張する。
無益テーゼ
提案を実行しても何も変わらない、と主張する。
危険性テーゼ
提案を実行に移すと結果が伴うかもしれないが、思わぬ副作用で全体として悪影響をもつ、と主張。
 これら3つを重ね合せると、厳密な論証を行わなくても、驚くべき説得力を持ってしまう。 反対意見を述べるのではなく、意見をつぶすために用いるレトリック。その意味での「反動のレトリック」。
 自分の意見を述べずにただただ反対する人のロジック(と言えるかは怪しいけど)は、おそらくこの3つのどれかにあてはまる。
 意見をつぶしたいときは上記のレトリックを利用しましょう。
 意見を通したいときは、これらをひっくり返す戦術を考えましょう

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